Team Asobiが開発した「ASTRO BOT Rescue Mission」は、PSVRの人気独占タイトルの一つであるが、ソニー傘下の開発チームであるTeam Asobiは、PS5向けの後続作「Astro Bot」をVRサポートなしでリリースする。スタジオはVRポートの可能性についても否定しており、その理由として、テレビ向けに特化したユニークな開発が挙げられている。Team Asobiのスタジオヘッド、Nicolas Doucetは、今後の「Astro Bot」がVRゲームになることはないとDigital Trendsに対して明言した。彼は「100% PS5に集中している」と述べ、第三者視点のゲームにVRモードを追加する考えは適用できないと説明した。また、Push Squareへのインタビューで、テレビとVRのデザイン哲学が大きく異なるため、ハイブリッド開発は行わなかったと述べた。
Astro Botのキャラクターは、もともと2013年にPlayStationの現在は閉鎖されたSIE JAPAN StudioがPS4用にリリースした「THE PLAYROOM」のミニゲームデモから始まっている。その後、2016年にはPSVRのオリジナルである「The Playroom VR」がリリースされ、2018年には「Astro Bot Rescue Mission」がフルフレッジのVRゲームとしてリリースされた。2020年には、Japan Studioの閉鎖直前に「Astro’s Playroom」がPS5のDualSenseコントローラーのテックデモとしてリリースされた。Team AsobiはDoucetの下で存続し、Japan Studioは2021年にPlayStationによって閉鎖された。なお、「Astro Bot Rescue Mission」はPSVR 2へのポートがなく、元のPSVRゲームとの後方互換性の欠如がさらに強調されている。
【ニュース解説】
Team Asobiが開発した「ASTRO BOT Rescue Mission」は、PlayStation VR(PSVR)の人気独占タイトルとして広く認知されています。このゲームは、VR技術を駆使したプラットフォーマーとして、その没入感と革新的なゲームプレイで高い評価を受けました。しかし、Team Asobiは最新作「Astro Bot」をPlayStation 5(PS5)向けにリリースするにあたり、VRサポートを含めない方針を明らかにしました。スタジオヘッドのNicolas Doucet氏は、この新作がテレビ向けに特化して開発されており、VRへのポートは予定していないことを強調しています。
この決定の背景には、テレビとVRのゲームデザインにおける根本的な違いがあります。Doucet氏によれば、第三者視点のゲームにVRモードを追加することは、特定のファーストパーソンゲーム(例えばレーシングゲームなど)には適用可能ですが、「Astro Bot」のようなゲームには適用できないとのことです。このため、スタジオはPS5というプラットフォームに100%集中し、より多くの人にゲームを楽しんでもらうことを目指しています。
Astro Botのキャラクターは、もともとPS4用の「THE PLAYROOM」というミニゲームデモから始まり、その後PSVRの「The Playroom VR」を経て、「Astro Bot Rescue Mission」としてフルフレッジのVRゲームへと発展しました。しかし、Team Asobiとしては、PS5のDualSenseコントローラーの機能を紹介する「Astro’s Playroom」をリリースするなど、新たな方向性を模索しています。
この決定は、VRゲームとフラットスクリーンゲームの開発における異なるアプローチと哲学を浮き彫りにしています。VR技術はゲームデザインに新たな可能性をもたらしますが、すべてのゲームがVRに適しているわけではありません。Team Asobiの決定は、ゲーム開発におけるメディアの特性を最大限に活かす方向性を示しており、VRとフラットスクリーンのゲームが共存し、それぞれの強みを生かしていく未来を予感させます。
また、この決定はPSVR 2などの将来のVRハードウェアに対するゲームの提供方針にも影響を与える可能性があります。VRゲームのラインナップは、開発者がVRの特性をどのように捉え、活用するかによって左右されるため、Team Asobiのような開発者の選択は、VRゲーム業界全体の方向性に影響を及ぼすことになるでしょう。
from ‘Astro Bot’ Developer: Don’t Hold Out Hope for VR Port.