Razerは2025年7月15日、Thunderbolt 5対応の外付けGPUボックス「Razer Core X V2」とドッキングステーション「Razer Thunderbolt 5 Dock」を発表した。Core X V2は最大4スロット(長さ362.7mm、厚さ82mm)のPCIe Gen4対応グラフィックスカードに対応し、ATX電源ユニットをユーザー自身で選び搭載する仕様となる。対応インターフェースはUSB Type-Cで、Thunderbolt 5/4/USB4接続デバイスで利用可能。ノートPCへの最大140W PD給電や標準でThunderbolt 5ケーブルが付属する。Thunderbolt 5 Dockは144Hzトリプル4KディスプレイやM.2 SSD(最大8TB)、10ポート搭載、最大140W給電にも対応し、価格はCore X V2が350ドル、Thunderbolt 5 Dock Chromaが399.99ドル。対応OSはWindows 10 RS5/Windows 11で、Macは非対応。
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4スロット厚のグラフィックスカードを搭載できるThunderbolt 5対応eGPU BOX「Razer Core X V2」発売
【編集部解説】
Razer Core X V2の魅力は、Thunderbolt 5の高速帯域によりノートPCや小型PCにデスクトップ級のGPUパワーをもたらす点にあります。ATX電源や大型GPUを自由に選べる拡張性が特徴で、ユーザーが自分のスタイルに合わせたハードウェア構成を設計できます。ドッキングステーションも10ポート・M.2スロット搭載で、大量のデバイスやマルチディスプレイ環境に耐えうるビジネスやクリエイティブ用途にも適応。コンパクトな筐体ながらパフォーマンスも拡張性も両立しています。一方、電源やインターフェースなどを省く設計は割り切りが必要で、システム構築に理解あるユーザー向きです。Thunderbolt 5端末が本格的に普及すれば、仕事・プライベートを問わずPC活用の幅を大きく広げる存在となるでしょう。
【用語解説】
Thunderbolt 5: 最大120Gbps(片方向・映像用)、80Gbps(双方向・データ用)を実現する最新高速データ規格。
eGPU: ノートPC等に外付けしてGPUパワーを強化する「外付けグラフィックスカード」エンクロージャー。
PCIe Gen4: 次世代インターフェース規格で、高速通信が可能な拡張バス。
ATX電源: デスクトップPC用の共通電源規格。
Power Delivery(USB PD): USB経由で最大240W給電を可能にする国際標準規格。
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【参考記事】
【編集部後記】
画像や動画編集、大規模データ処理、最新の3Dゲームといった負荷の高い作業など、デスクトップ級の外部GPUや多彩なポート拡張機能を活用することで、場所を選ばず快適にこなせるようになるはずです。また、作業内容やライフスタイルに合わせて求める性能や接続機器を柔軟に選択できるため、「持ち運びやすさ」と「ハイパフォーマンス」を両立した環境が手に入るのは大きな魅力だと思います。
自宅ではマルチディスプレイや高速ストレージといった据え置き型の拡張性を活かし、出先では本体だけでシンプルに使う、といったシームレスな切り替えが実現できるため、1台のPCに対する価値や用途の幅が大きく広がります。既存のノートPCの常識が覆り、ユーザー自身の工夫次第で「自分だけの最適な作業・遊び空間」を作れる自由度が生まれる──拡張性は、デバイスの物理的な性能向上だけでなく、PCワーク全体の価値観や日常を豊かに変えてくれると感じます。