シンガポールSea Limited、初の年間利益達成で株価上昇！

シンガポールのテクノロジー大手Sea Limitedは、2023年に初の年間利益を記録した。2023年の純利益は1億6270万ドルで、2022年の純損失17億ドルからの転換である。しかし、2023年第4四半期には1億1160万ドルの純損失を記録した。これは、前年同期の純利益4億2280万ドルと比較している。

Sea Limitedは、アリババ傘下のLazadaやTikTokとの市場シェア争いの中でこの成果を達成した。同社は、eコマース（Shopee）、金融サービス（SeaMoney）、ゲーム（Garena）の事業を展開している。2023年末時点での現金残高は85億ドルに増加し、過去1年間の投資に対する規律と慎重さを示した。

Seaのニューヨーク上場株は、月曜日に5.58%高く終了した。同社は2024年も利益を出すことを期待している。eコマース部門のShopeeは、2023年に市場シェアを「意味のある増加」を達成し、2024年も市場シェアを維持する意向である。

SeaMoneyは2023年に初の年間利益を報告した。また、同社の主力ゲーム「Free Fire」は、2024年にユーザーベースと予約で二桁成長を達成すると予想されている。

Seaは、全ての事業で成長と利益性のポジティブなトレンドを確認し、将来に向けた投資を継続する方針である。DBS BankのSachin Mittalは、Seaのガイダンスを「かなりポジティブで驚き」と評し、同社の株式を「保持」から「買い」に格上げし、目標株価を75ドルに設定した。CGS-CIMB SecuritiesのKhang Chuen Ongも「保持」から「加算」に格上げし、目標株価を46ドルから74ドルに引き上げた。Wedbushは、目標株価を45ドルから72ドルに引き上げ、「アウトパフォーム」の評価を維持した。

【ニュース解説】

シンガポールのテクノロジー企業であるSea Limitedが、2023年に初めて年間利益を達成したことは、同社にとって大きな転機です。これまでの長年にわたる赤字経営からの脱却を示し、特にアリババ傘下のLazadaやTikTokといった強力な競合との市場シェア争いの中での成果は注目に値します。

この利益転換は、eコマース（Shopee）、金融サービス（SeaMoney）、ゲーム（Garena）という三つの主要事業を通じて達成されました。特に、eコマース部門のShopeeは、激しい競争の中で市場シェアを拡大し、その地位を固めることに成功しました。また、SeaMoneyが初の年間利益を報告したことや、主力ゲーム「Free Fire」のユーザーベースと予約が2024年に二桁成長すると予想されることも、同社のポジティブな将来像を示しています。

この成果は、経済的不確実性の中でのコスト削減策から成長への焦点を再び移すという戦略の変更によってもたらされました。この戦略転換は、競合との市場シェアを守るためのものであり、特にインドネシアにおけるTikTokの動向が影響を与えたと分析されています。

このニュースは、投資家にとってもポジティブなシグナルと受け取られ、Seaのニューヨーク上場株は価格が上昇しました。アナリストからも、同社の株式に対する評価が上方修正され、将来の成長と利益性のトラジェクトリーに対する楽観的な見方が示されています。

しかし、この成功には潜在的なリスクも伴います。競合との市場シェア争いは今後も続くでしょうし、経済的な変動や規制の変更も同社の事業運営に影響を与える可能性があります。また、成長を続けるためには、ユーザー獲得やフルフィルメントなどへの投資が引き続き必要となります。

長期的には、Sea Limitedのこの利益転換は、同社が持続可能な成長モデルへと移行していることを示しています。しかし、その過程でバランスを取りながら、変化する市場環境や競合との関係に柔軟に対応していくことが、今後の成功の鍵となるでしょう。

from Singapore's Sea Limited posts first profitable year amid efforts to defend market share against Lazada, TikTok.