、Pixel 9 Pro、Pixel 9 Pro XLの3機種が登場し、新たなAI機能を搭載している。
特筆すべき新機能の一つが「Pixel Studio」というAI画像生成アプリだ。このアプリはGoogle独自のImagen 3モデルを使用し、テキストプロンプトから画像を生成できる。Pixel Studioは端末内で動作し、オフラインでも利用可能。生成した画像の編集や、アニメやスケッチなど様々なスタイルへの変換も可能だ。
他のAI機能としては、Gemini AIアシスタント、グループ写真に自分を追加できる「Add Me」機能、20倍までのズームが可能な「Super Res Zoom Video」などがある。
新しいPixelシリーズはGoogle Tensor G4チップを搭載し、Pixel 9は12GB、Pixel 9 ProとPro XLは16GBのRAMを備えている。価格は、Pixel 9の基本モデルが799ドルからとなっている。
これらの新製品は、AppleのiPhone 16発売前に市場での存在感を高めるためか、例年より早い時期に発表された。
from:Google debuts Pixel Studio AI image-making app
【編集部解説】
Googleが発表したPixel Studioは、スマートフォン業界におけるAI画像生成の新たな一歩を示しています。この機能は、クラウドベースのAIサービスとは一線を画す、オンデバイスでの画像生成を実現しています。これにより、プライバシーの懸念を軽減しつつ、ユーザーがいつでもどこでも創造性を発揮できる環境を提供しています。
Pixel Studioの特筆すべき点は、オフラインでの動作が可能な点です。これは、インターネット接続が不安定な環境でも、ユーザーが自由に画像を生成・編集できることを意味します。また、データがデバイス内で処理されるため、個人情報やアイデアの漏洩リスクも低減されます。
一方で、オンデバイスでの処理には限界もあります。クラウドベースのAIモデルと比較すると、生成される画像の品質や複雑さに制限がある可能性があります。しかし、日常的な使用においては十分な機能を提供できると考えられます。
Pixel Studioの登場は、スマートフォンにおけるAI機能の進化を示しています。これまで専用のアプリやウェブサービスが必要だった高度な画像生成が、スマートフォンの標準機能として組み込まれることで、一般ユーザーのクリエイティビティを大きく後押しする可能性があります。
また、この技術の登場は、デジタルコンテンツ制作の民主化をさらに推し進めるでしょう。プロフェッショナルなデザインツールを使いこなす必要なく、誰もが手軽に高品質な画像を作成できるようになります。これは、SNSやブログ、個人のプレゼンテーションなど、様々な場面でのビジュアルコミュニケーションを豊かにする可能性を秘めています。
一方で、このような技術の普及には潜在的なリスクも存在します。著作権の問題や、AIが生成した画像の真正性の判断など、新たな課題が浮上する可能性があります。また、簡単に高品質な画像が生成できることで、フェイクニュースやディープフェイクの作成が容易になる懸念もあります。