PS6最新情報総まとめ|PSSR技術で4K 120fps実現・AMDパートナーシップ継続で描く未来像

 - innovaTopia - (イノベトピア)

ソニーの次世代ゲーム機「プレイステーション6(PS6)」について、2027年後半発売の可能性が複数の情報源から報告されており、価格は700ドルを大幅に超える可能性があり、ハンドヘルド版の同時展開も検討されていることが有力なリークで存在が示唆されている。

ソニーのシニアバイスプレジデントである松岡直美氏が2024年2月14日(現地時間、日本時間2月15日)にBloombergに対して「PS5はライフサイクルの後期段階に入る」と発言し、次世代機開発への移行を示唆した。

PS6の発売時期については、マイクロソフトのアクティビジョン・ブリザード買収関連の法廷文書で、ソニーが次世代プレイステーションを発売する頃にCall of Dutyへのアクセスを失うとの記載があり、マイクロソフトが2027年までアクティビジョン・ブリザードのゲームをプレイステーションで提供する契約と関連付けて解釈されている。プレイステーション3が2006年、プレイステーション4が2013年、プレイステーション5が2020年発売と、ほぼ7年間隔の周期に従えば2027年発売が妥当とされる。

リーカーのKeplerL2がNeoGafで発表した情報によると、PS6のチップセットが設計完了段階にあり製造準備が整っており、チップセット完成から発売まで約2年の業界標準から2027年発売が予測されている。使用予定のチップはAMD製のZen6 CPUでN2アーキテクチャ上で動作し、RDNA5(UDNA)GPUが搭載される見込みである。

Technetbookの2025年1月(現地時間、日本時間同月)の報告では、SoC(システムオンチップ)がプリシリコン検証段階にあり、この段階から量産まで通常2年を要することから2027年発売スケジュールと整合している。GamingBible.comは2025年6月4日(現地時間、日本時間6月5日)に、キャンセルされたソニーパートナーゲーム「Blade Runner: Time to Leave」が2027年秋、9月から11月のリリースを目標としていたと報告している。

対照的に、元プレイステーション幹部で30年以上在籍し元SIE社長の吉田修平氏は、VentureBeatとのインタビューで「PS5世代が製造問題で遅れたため、次のプレイステーションが2028年に発売されるのが適切」と述べ、より慎重な見解を示している。

価格面では、PS5 Proが700ドルで発売されており、一部アナリストはこれをソニーの価格上限テストと解釈している。Gamesbeatとのインタビューでアナリストは、次世代機が600ドルで発売されると予測したが、アメリカの関税政策や世界的な貿易情勢を考慮すると、PS6は700ドルを大幅に超える価格設定になる可能性が高いとされている。

技術仕様については、YouTubeチャンネル「Moore’s Law is Dead」が「ソニーがPS6とPS5 ProにAMD製チップを継続採用することを100%確信している」と発言している。Reuters が2024年9月16日(現地時間、日本時間9月17日)に報じたところによると、インテルが2022年にPS6チップセット設計の入札でAMDに敗北したことが確認されており、AMD製チップの継続採用により下位互換性の確保が容易になる。

ストレージについては、PS5での高速SSD技術の成功を受けて新世代SSDが搭載予定で、デジタル版では最低2TBのストレージ容量が見込まれている。Metro紙の2024年9月20日(現地時間、日本時間9月21日)の報告では、2つの異なるSoCが開発中とされ、これは上位版・下位版の製品ラインナップか、ハンドヘルド版の存在を示唆している。

機能面では、PS5 Proで導入されたPSSR(PlayStation Spectral Super Resolution)技術の大幅な改良版が搭載され、4K解像度で毎秒120フレームまたは8K解像度で毎秒60フレームでの動作が可能になるとInsider Gamingが報告している。

ハンドヘルド版については、KeplerL2の最新情報によると、15WのSoCを最新の3nmプロセスで製造し、PS5ゲームを解像度とフレームレートを調整して動作させることが可能で、性能はXbox Series SとXの中間程度とされている。Tom’s Guideが2025年6月(現地時間、日本時間同月)に報告した最新仕様では、AMD RDNA5ベースGPUに28から32のコンピュートユニット、16GBのLPDDR5X RAM、20MBのキャッシュ(4MB L2と16MB MALL)を搭載し、高度なAIアップスケーリングとレイトレーシング機能をサポートする予定である。

from:文献リンクPS6: everything we know about the PlayStation 6 so far | Digital Trends

【編集部解説】

AIドリブン設計への転換

PS6で最も重要な変化は、単純な処理能力向上からAI技術統合への転換です。PSSR技術の進化により、限られた電力とコストの制約下で最大限の視覚的効果を実現する設計思想が明確になっています。

4K 120fpsや8K 60fpsという目標値も、従来のような処理能力の線形増加ではなく、機械学習による画像補間技術によって実現される可能性が高く、これは現代のハードウェア設計における合理的なアプローチといえます。特に電力効率の観点から、この技術革新は今後のゲーム機設計の標準となる可能性があります。

ハンドヘルド市場への本格的挑戦

ソニーがネイティブ動作するハンドヘルド版PS6を検討している背景には、Nintendo Switchの成功とValve Steam Deckの台頭があります。15WのTDPという仕様は現在のSteam Deckと同等でありながら、3nmプロセス技術により大幅な性能向上を実現できる可能性を示しています。

これが成功すれば、据え置き機とポータブル機の性能差が大幅に縮小し、ゲーム開発者にとって新たな可能性が開かれる一方で、最適化の複雑さという課題も生じることになります。

価格戦略の根本的変化

700ドル超という価格設定は、ゲーム機市場の構造的変化を反映しています。半導体製造コストの上昇、高性能部品の価格増加、そしてゲーム機がマルチメディアハブとして進化していることが背景にあります。

PS5 Proの価格に対する市場の反応をテストケースとして、ソニーはプレミアム価格戦略の実現可能性を慎重に探っています。これは、従来の大衆市場向けアプローチからハイエンドユーザー重視への戦略転換を意味する可能性があります。

AMDとの戦略的連携強化

Project Amethystとして報告されている機械学習特化アーキテクチャの共同開発は、両社の技術的シナジーを最大化する取り組みです。これにより、PS6世代では単なる下位互換性の確保を超えて、AI技術を活用した全く新しいゲーム体験の創出が期待されます。

AMDにとっても、コンシューマー市場でのAI技術実用化における重要な足がかりとなり、NVIDIA に対抗する戦略的意味を持ちます。

業界エコシステムへの長期的影響

最も注目すべきは、従来の完全な世代交代モデルから、段階的アップグレードモデルへの移行可能性です。複数のSoC開発や多様なフォームファクター展開は、スマートフォン業界で見られる年次更新モデルへの移行を示唆しています。

これにより、ゲーム開発者は対応プラットフォームの複雑化という課題に直面する一方で、より柔軟な市場対応が可能になります。特に、ハンドヘルド版の存在により、開発者は異なる性能レベルでの最適化を考慮する必要が生じるでしょう。

潜在的課題と市場リスク

高価格化によるユーザーベースの分散化は、特に価格感応度の高い新興市場でのプレゼンス維持において重要な課題となります。また、AI技術への依存度増加により、従来のゲーム開発手法からの転換が求められ、中小開発者にとって技術的ハードルが上昇する可能性があります。

さらに、ハンドヘルド版と据え置き版の性能差により、ゲーム開発の複雑化が進む可能性があり、これらの変化に対する業界全体の適応能力がPS6世代の成功を左右する重要な要因となりそうです。

【用語解説】

PSSR(PlayStation Spectral Super Resolution)
ソニーが開発したAI画像アップスケーリング技術。低解像度で描画したゲーム画面を機械学習アルゴリズムにより高解像度に変換し、処理負荷を抑制しながら高画質を実現する技術。

SoC(System on Chip)
CPU、GPU、メモリコントローラー、入出力制御などの複数機能を単一のチップに統合したシステム。省電力化と小型化を実現し、スマートフォンやゲーム機で広く採用されている。

3nmプロセス
半導体製造における最先端の微細化技術。トランジスタサイズを3ナノメートル相当まで縮小し、同一面積により多くの回路を実装可能にする。性能向上と電力効率改善を同時に実現できる。

TDP(Thermal Design Power)
プロセッサが動作時に発生する熱量の設計上限値。ワット単位で表され、数値が低いほど省電力で発熱が少ない。バッテリー駆動デバイスの動作時間に直接影響する重要な指標。

プリシリコン検証
実際の半導体チップを製造する前段階で、設計データを用いてシミュレーションにより動作確認を行う工程。この段階から量産開始まで通常2年程度の期間を要する。

リーカー
未発表製品の機密情報を事前に公開する情報提供者。業界関係者や開発者からの内部情報を基に、製品仕様や発売時期などを予測・公開する。

KeplerL2
ゲーム業界の製品情報に精通したリーカーの名称。特にAMD製品やゲーム機の技術仕様について、過去に複数の正確な予測を公開している。

NeoGAF
海外の大手ゲーム情報フォーラム。業界関係者も多数参加し、信頼性の高いリーク情報や技術的議論の発信源として知られている。

【参考リンク】

Sony Interactive Entertainment(外部)
プレイステーションブランドを展開するソニーのゲーム事業部門公式サイト。PS5、PS VRなどの製品情報や企業戦略、最新ニュースを掲載している。

AMD(外部)
PS5およびPS6のプロセッサを供給するアメリカの半導体企業。CPU「Ryzen」シリーズ、GPU「Radeon」シリーズを展開し、ゲーム機向けカスタムチップも製造している。

Intel Corporation(外部)
世界最大級の半導体企業。PS6チップセット設計の入札でAMDに敗れたことが報じられている。CPU「Core」シリーズで知られる。

Microsoft Corporation(外部)
Xboxシリーズを展開するゲーム事業部門を有する。アクティビジョン・ブリザード買収関連の法廷文書がPS6発売時期推測の根拠となっている。

Nintendo(外部)
任天堂の公式サイト。Nintendo Switchの成功がソニーのハンドヘルド戦略に影響を与えているとされる主要競合企業。

Bloomberg(外部)
松岡直美氏のPS5ライフサイクル発言を報じた経済メディア。企業戦略や業界動向の報道で知られる。

Reuters(外部)
インテルがPS6チップセット入札でAMDに敗れたことを報じた国際通信社。テクノロジー業界の動向を詳細に報道している。

【参考動画】

【参考記事】

PlayStation 6 rumored for late 2027 release — 3 PS6 spec clues I’ve picked up from reading between the lines | Tom’s Guide
PS6の2027年発売説とスペック予測について、CES 2025でのAMD発表やHDMI 2.2規格との関連性から分析した記事。

PS6 FAQ – Release Date, Price, Specs & More | PlayStation Universe
PS6に関する包括的な情報をFAQ形式でまとめた記事。AMDとの協業やPSSR技術について詳しく解説している。

PlayStation 6 Handheld Leak Reveals Early Specs: AI Upscaling, 16GB RAM, and More | The Game Post
PS6ハンドヘルド版の詳細スペックリークについて報告。16GB RAMやAIアップスケーリング対応などの技術仕様を説明している。

Everything We Know About the PlayStation 6 and Its Rumored Handheld Version | Gizmodo
PS6本体とハンドヘルド版の両方について、AMDの新技術やFSR 4との関連性を含めて総合的に分析した記事。

PS6: when can we expect the PlayStation 6 and what do we want to see? | TechRadar
PS6の発売時期予測と期待される機能について、業界アナリストのコメントや価格戦略の分析を含めて解説した記事。

【編集部後記】

700ドル超となるとなかなか手を出しにくい価格だと思われます。性能としては申し分ないのかもしれませんが、その性能を生かしたゲームがどのようにして発売されるのか。ゲームハードの進化もさることながら、ソフト開発を行う各企業の動向もチェックしていきたいと思っております。現段階では『4K』『120fps』などグラフィック面が注目をされていますが、その他情報などいつ公開されるのか楽しみでありますね。

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